3.不在者・失踪宣告
25条(不在者の財産の管理)
従来の住所又は居所を去った者(以下「不在者」という。)がその財産の管理人(以下「管理人」という。)を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。本人の不在中に管理人の権限が消滅したときも、同様とする。
家庭裁判所の許可 | |
保存行為・利用行為・改良行為 | 不要 |
処分行為 | 必要 |
管理はできるが、処分はできないよ!裁判所の許可があれば可能。
管理人を置かなかった場合 | 不在者が管理人を置いていた場合 |
利害関係人又は検察官の請求により財産管理人の選任その他の必要な処分をする | ①財産管理人の権限が消滅したとき利害関係人又は検察官の請求により財産管理人の選任その他必要な処分をする |
上記による命令後、本人が管理人を置いてたとき → 家庭裁判所は、その管理人、利害関係人又は検察官の請求により、その命令を取り消さなければならない。 | ②不在者の生死が不明となったとき利害関係人又は検察官の請求により、財産管理人を改任することができる。 |
不在者とは従来の住所又は居所を去った者をいい、生死が不明であることは、要件になっていない。⇒ 生存が明らかでも、不在者財産管理人を選任できる。
不在者が裁判所が選任した後に、自ら管理人を選んだ場合
本人の意思を尊重。家庭裁判所は先に選任した管理人を取り消すことになる。自動的ではない。
失踪宣告
周りの法律関係を安定化させるために、本人を死んだ者として扱う。
普通失踪の場合
音信不通になってから7年経過した時点で申し立て
特別失踪の場合
事故戦争など死の危険の高いトラブルに巻き込まれた場合、1年経過した時点で申し立て
危険が去った後に宣告
32条(失踪の宣告の取消)
失踪者が生存すること又は前条に規定する時と異なるときに死亡したことの証明があったときは、家庭裁判所は、本人又は利害関係人の請求により、失踪の宣告を取り消さなければならない。
2 失踪の宣告によって財産を得た者は、その取消によって権利を失う。ただし、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。
残ってる分だけ返えせばいい。生活費は駄目、浪費はOK。悪意の場合は全部返還義務。
704条(悪意の受益者の返還義務等)
悪意の受益者は、その受けた利益に子息を付して返還しなければならない。この場合において、なお損害があるときは、その賠償の責任を負う。
相続した財産を善意の第3者に売却した場合
失踪宣告は取消だから所有権は失踪人Aの所有権は遡及効で変らず。ただし、相続人と第3者両方が善意の場合は、Cの所有権に対抗できない。