物権総論

宅建士

001 Aがその所有する甲土地を深く掘り下げたために隣接するB所有の乙土地との間で段差が生じて乙土地の一部が甲土地に崩れ落ちる危険が発生した場合には、Aが甲土地をCに譲渡し、所有権の移転の登記をしたときであっても、Bは、Aに対し、乙土地の所有権に基づく妨害予防請求権を行使することができる。

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請求権の相手方は、現に他人の物権を客観的に侵害し、又は侵害の危険を生じさせている者Cである。

002 A所有の甲土地に千節する乙土地がその所有者Bにより掘り下げられたため、甲土地の一部が乙土地に崩落する危険が生じた場合において、当該危険が生じたことについてBに故意又は過失がないときは、Aは、Bに対し、甲土地の所有権に基づき、甲土地の崩落を予防するための設備の設置を請求することができない。

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相手方の故意又は過失は不要。

003 A及びBが共有する甲土地のBの持ち分がCに売り渡され、その旨の登記がされたものの、当該持ち分の売買契約が虚偽表示により無効である場合には、Aは、Cに対し、その持分権に基づき、当該登記の抹消登記手続を請求することができる。

004 A所有の土地上に不法に立てられた建物の所有権を取得し、自らの意思に基づきその旨の登記をしたBは、その建物をCに譲渡したとしても、引き続きその登記名義を保有する限り、Aに対し、自己の建物所有権の喪失を主張して建物収去土地明渡しの義務を免れることはできない。

005 A所有の甲土地上に、Bが乙建物をAに無断で建築して所有しているが、Bとの合意によりCが乙建物の所有権の登記名義人となっているに過ぎない場合には、Aは、Cに対し、甲土地の所有権に基づき、乙建物の収去及び甲土地の明け渡し請求をすることができる。

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建物の所有権を有しない者は、外形上保存登記をしていたとしても、建物を収去する機能を有しないから、建物収去義務を負う者ではない。

006 Aの所有する甲土地をBが賃借して賃借権の設置の登記をした場合において、Cが自己の所有する乙動産をA及びBに無断で甲土地に置いているときは、Bは、Cに対し、甲土地の賃借権に基づき、乙動産の撤去を請求することができない。

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不動産の賃借人は、605条2第1項に規定する対抗要件を備えた場合において、その不動産の占有を第三者が妨害しているときは、その第三者に対する妨害の停止の請求をすることができる。

007 A所有の甲土地上に、Bが乙建物をAに無断で建築して所有している場合において、Aが甲土地の所有権の登記名義人でないときは、Aは、Bに対し、甲土地の所有権に基づき、乙建物の収去及び甲土地の明渡しを請求することができない。

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無権限で他人の不動産を占有する者は、177条の第三者に該当せず。

008 所有権に基づく物権的返還請求権は、時効により消滅することがない。

所有権に消滅時効にならない。

009 所有権に基づく妨害排除請求権は、相手方が責任能力を欠いている場合であっても、その成立は妨げられない。

客観的状態から判断される。

010 Aの所有する甲土地を賃借しているBが、Cの所有する乙動産を賃借して甲土地に置いている場合において、その後、AB間の賃貸借契約が終了したが、Bが乙動産を甲土地に放置しているときは、Aは、Cに対し、甲土地の所有権に基づき、乙動産の撤去を請求することができる。

011 Aがその所有する甲土地をBに賃貸して引き渡し、その後、AB間の賃貸借契約が終了したが、Bがその所有する乙動産を甲土地に放置している場合において、AがBに対し、甲土地の所有権に基づき、乙動産撤去を請求することができない。

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契約責任と物権的請求権の選択によりいずれの請求権も行使することができる。

012 Aの所有する甲土地においてBがCから購入しt乙自動車がAに無断で放置されている場合において、BC間の売買契約上、Bの代金残債務の担保として乙自動車の所有権はCに留保される旨及びBが期限の利益を喪失して残債務の弁済期が経過したときはCはBから乙自動車の引き渡しを受け、これを売却してその代金を残債務の弁済に充てることができる旨の合意がされており、Bが期限利益を喪失してその残債務の弁済期が経過したときは、Aは、Cに対し、甲土地の所有権基づき乙自動車の撤去を請求することができる。

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