豊は亨る。王これを仮(いか)る。憂うるなかれ、日中に宜し。
盛大、繁茂、肥沃などの意。今や力強く奮い立ち盛大を窮めるところ。しかし、何もかも良いというのは易にはない。到達することを知るのは主君のみである。一般の人には予想もつかなかったことが起こる。豊も長くは続かない。維持するには努力が必要。相応の苦労も覚悟しておくべき。維持発展させる難しさを告げる。
日中の太陽のように誰に対しても暖かい気持ちで接することが、唯一の条件である。
①思いのままに事が運ぶ。
②慎重に対応すれば、ますます盛大となる。
③だがそれを当然と考えると、次はその好調が仇となる。
初九 良い相手にで会う。早めに処置して協力を得ると良い。信用を得るとき。才を誇ってはならない。
六二 好調を維持するのは並大抵ではない。小手先では不可能である。言葉に注意。疑いを掛けられる。
九三 好調を維持し拡大するには、あまり目立たぬこと。衰運の兆し。
九四 意外な協力者に出会う。吉。一人ではできない。
六五 何が起こるか分からない。何事も決めつけてはならない。好転する。部下の協力あり。
上六 豊かさに目を奪われ、ひたすら追いかけてきたが、気がつくと孤立している。
商売では
手を広げすぎてまわりかねる。整理に意を用いるときである。契約高の割に実益が少ない。出費がかさみ、資本を掛けすぎている。争論が起きやすい。文書に注意。即決の方がよく、前半で纏めたほうがよい。契約の選択にも迫られる。不意に何台を掛けられるから注意。勝負は勝ち。