今日の易
䷟ 雷風恒(ふうらいこう) 今まで不安定だったことが安定する。安定していることに関しては、欲を出さずに現状維持に努めること。
趣味のブログがすっかり宅建士試験ばかりの更新になってしまった。合間に読了した本を紹介します。
「朝鮮と日本に生きるー済州島から猪飼野へ」金時鐘著
実は、今から30年前、私は金時鐘氏のご自宅にお邪魔したことがある。私自身は他の二人のおまけみたいなものだったが、この本に書かれている「済州島4・3蜂起」の資料を生で見せていただいたのであった。
会話の内容はもう記憶にない。8・15の解放・独立・分断の歴史の生き証人である。
今回はたまたま韓国で映画「ソウルの春」が大ヒットしていると聞いて、光州事件を思い出し、そういえば、さらに空前の虐殺事件だった「4・3蜂起」を思い出し、検索したら金時鐘氏のこの著書に巡り合えた。
私は在日3世なので、その生い立ちを重ね合わせるのもおこがましいが、金時鐘氏が幼少期に「皇国少年」になろうとしていたことは、私にとっては物心ついたときに国籍を知り、バレないようにより日本人らしくふるまっていこうとしたことと共鳴してならない。
そして解放によって、これまでの日本帝国主義の欺瞞と洗脳から解き放たれ、「自分の所在探し運動」へと進むのも、まさに大学で先輩に会い、朝鮮人として「自分の所在探し運動」への道と全く同じなのだ。
先生は95歳になられて、もう静かな余生をお過ごしのことと思います。「4・3蜂起」については、また改めて書きたいと思います。アメリカが何をやったか、どれだけの無垢な市民を虐殺したか、そして、韓国政権が右傾化するたびに歴史に蓋をしようとしてきたこと。(李明博政権は最悪だった)
小説「火山島」の著者である金石範氏は、ようやく「悲しむ自由の喜び」を得られるようになった、済州島の犠牲者という表現をしている。時間がたたなければ言葉を発せないことがあるのだ。慰安婦にしても、強制連行にしても。
(PR)