同人は野に于(おい)てす。亨る。大川を渉るに利あり。君子の貞に利あり。
同時とは志を同じくする者を同(あつ)めることである。そのような同めた者を同志という。その同志を見つけるには、「同人は野においてす」。この野は原野のこと、つまり町中でも町外れでもなく、それよりはるか人里離れた荒野で見出す。要するに人を選ぶに当たっては、私情を交えたり、手軽な方法を採るべきではない。氏素性や世間の肩書きなどにとらわれず、あくまでも公平無私におこなわなれければならないものとするのである。人材集めに縁故採用など百害あって一利なしというわけである。
①同じ考えをした者が周りに集まってくる。類は類をもって集まる。
②常識にとらわれず、また小異にこだわらず、今は果敢に進むべきである。
③チャンスを逃してはならない。
一陰五陽の卦の仲間なので、各爻を見ると
2爻を他の爻が取り合うことになる。
初九 これまでの自分の殻から抜け出すこと。手法を変えてみる。
六二 役にたたない無難な者をいくら数集めても仕方ない。身内に迷惑をこうむる。
九三 付け焼き刃では結局ぼろが出る。大事を企てても成功しない。
九四 失敗するのは力量の不足ではない。もともと道理が伴わないから。
九五 妨害され難渋しているが、問題の解消は近い。
上九 孤独は一面、煩わしい人間関係にも悩まずにすむ。動かない方がよい。
尋ねる問題が何であれ、当人が何か誤解をしていないか、まずそれをよくただすことである次の問題解決の鍵は、何はさておき「野において」探すこと。そこには意外な答えがひそんでいる。
繋辞伝 「二人心を同じくすれば、その利(さと)きこと金を断つ。同心の言はその臭(かおり)、蘭の如し」
商売では
共同でやるとよい。当方に有利なので焦らず、自身をもって取引して良い。金運はある。ライバルも多い。意見は一致する。勝負は勝ち