无妄は、元いに亨る。貞しきに利あり。それ正にあらざれば眚(わざわい)あり。往くところあるに利あらず。
无妄とは嘘偽りのない真実。直前の地雷復で本来の姿に回復したので、今や霧が晴れたように辺りは澄み切っている状態。
あくまでも正道を守りそれに徹することで、元いに亨る。間違ったら災いが起こる。それでも前進したら天罰が下るよ、と言っている。
無為自然に任せるように。
①何事も無心に取り組むなら、天は時に思いがけない褒美を続ける。
②意識すると外れるが忘れていると当たる。
③もし天の助けを望むなら、無心になるしかない。
初九 あるがままに自然に従う。策を弄するのはよくない。
六二 時に逆らわず、こざかしい行為を廃するなら、そこに計算外の戦果がある。
六三 禍福はあなぜる縄のごとし。あらぬ疑いをこうむる。
九四 進むより現状を維持する。新奇をてらう時ではない。
九五 無理なことをすると、問題を益々こじらす。他人の言葉をいちいち真にうけてはならない。
上九 思いがけない福は、よほど慎重に受け止めないと多くは災いをもたらす。前進すると無理が生じる。
商売では、
成り行き任せにするほかないが、無理押しをして失敗することが多い。活気がなく、しばらく静観するほかない。偶然なことが起こって中止することがある。勝負は偶然のことが起こって負け。
勝海舟の師匠 喜仙陰「自分の心にとがめるところがあって、いつとなく
気がなえてきたのです。すると不思議なことに、鬼神と共に動くところの至誠が乏しく成ってくるのです。やはり人間というのは、平生踏むところの道筋がなんといっても一番大切ですよ」